品川駅・田町駅周辺エリアの再開発が与えるインパクト

投資調査第2部 主任研究員 室 剛朗

<要約・概要>

 東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定したことから、2020年を一つの目標年とし東京の再開発気運が急速に高まっている。特に品川駅・田町駅周辺は1971年の西日暮里駅開業以来となるJR山手線の新駅開発をはじめ、リニア新幹線の開通などビッグプロジェクトが目白押しである。
 これらインフラ開発に加え、オフィス等の開発プロジェクトも多数計画されている。JR車輌基地(品川駅と田町駅の間にある約13haの敷地)の開発が目玉であり、複合施設5棟、高層マンション3棟の建設が予定されている。これら開発により、かつて新宿(西)から東京(東)へオフィスの重心がシフトしたように、東京(北)から品川(南)へオフィスの重心がシフトする可能性がある。
 一方、オフィスの大量供給による影響は、エリア内での優勝劣敗の進行・他エリアにおける空室発生という形で生じる可能性もあり、懸念されている。東京においては2015年には就業者が減少に転じることが予想されている中、オフィスの総需要は限られており、品川-田町間の再開発は他エリアに大きな影響を与える可能性が高いが、品川-田町間での大量供給は、旺盛な需要を背景とし、数年で吸収可能と当社は考えている。成功の条件は、同エリアが従来集めてきた産業(製造業・情報通信業)以外の産業をテナントとして獲得できるか、外資系企業を誘致できるかにある。また、羽田空港へのアクセス良化を受け、MICEへの取組みも期待される。『東京サウスゲート』としての機能を前面に、エリア全体の印象を高めることができれば一層魅力的なエリアとして地位を高める可能性も十分有している。

※当社では東京の代表的な再開発(丸の内・虎ノ門・品川・湾岸・渋谷エリア)が市場に与える影響について分析を行っております(有償)。ご関心のある方はお問い合わせください。
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品川駅・田町駅周辺エリアの再開発の概要

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