グリーンビルの供給は市場メカニズムにより達成可能か?

研究統括部 研究員   川村 康人

<要約・概要>
 省エネ性能の高いビルの供給増加は、温室効果ガスの削減に向けた有効な手段のひとつと考えられる。本稿は、省エネ性能の高いビルの供給増加が市場メカニズムにより達成可能であるか、あるいは政府部門による市場への介入が必要となるかを調べるため、近年増加するグリーンビルの「経済価値」について分析を行った。
 グリーンビルが市場で高い評価を得られているか否かについては、諸外国の学術研究で様々な結果が報告されているが、本稿では、グリーンビルの経済価値はマイナスになるとの結果を、日本のデータを用いて示している。この分析結果は、今後、市場メカニズムに任せても省エネ性能の高いビルの供給が諸外国のようには進まない可能性を示唆しており、政府部門による政策介入の必要性を支持する結果と考えられる。

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