概要

マンション賃料インデックスは、アットホーム株式会社および三井住友トラスト基礎研究所が共同で開発した賃貸マンションの成約事例に基づく賃料インデックスです。ヘドニックアプローチと言われる統計的手法を用いて個別の成約事例について賃料の品質調整を行い、四半期ごとの賃料変化を指数化したものです。主要都市 (東京23区、東京都下、大阪市、大阪広域、札幌市、仙台市、埼玉東南部、千葉西部、横浜・川崎市 、名古屋市、京都市、福岡市)について、アットホーム株式会社および三井住友トラスト基礎研究所のホームページを通じて年に4回公表します。

マンション賃料インデックス公表資料 [2024年3月21日公表] (PDF:1.0MB)
-インデックス対象期間:2009年第1四半期〜2023年第4四半期

※PDFデータはアットホーム株式会社のウェブサイトにリンクしています。

マンション賃料インデックスから見る住宅市況-2023年第4四半期

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全国:

2023年第4四半期(以下「今期」)の賃料(連鎖型・総合)をみると、名古屋を除く全エリアで前年同期比プラスとなり、全体+2.0ptの上昇であった。コロナ禍前(2019年第4四半期)との比較においても、名古屋を除く全エリアでコロナ禍前の賃料水準を上回っており、過去最高の水準となっているエリアも多い。背景には需要側での賃上げによる賃料負担力の向上、分譲マンションの発売価格高騰による賃貸需要の増加、他にも供給側での物価上昇に伴う賃料増額物件の増加など、複数の賃料上昇要因が相互に影響し合っていることがある。エリアごとに要因の強弱は異なるが大方全国で同様のトレンドが伺える。

東京23区:

東京23区の賃料(連鎖型・総合)は、前年同期比で+3.4pt上昇し、過去最高の水準となっている。中でもファミリータイプの上昇率が最も高い(アットホームHP参照)。要因としては、新築の分譲マンション発売価格が2023年の年間平均で1億円を超え、購入検討層の買い控えが拡大していることで、賃貸マンションでの居住継続を選択するケースが増加し、需給が逼迫していることが挙げられる。他の要因としては、単身世帯よりも共働き世帯の方が賃上げによる恩恵が大きく、賃料負担力向上に寄与していることもある。

大阪市:

大阪市の賃料(連鎖型・総合)は、前年同期比で+2.2pt上昇し、東京23区同様に過去最高水準となっている。東京23区と異なり、コロナ禍以降はコンパクトタイプの賃料上昇が最も高い(アットホームHP参照)。賃料上昇の主な要因としては、東京同様に賃料負担力の向上もあるが、インバウンド・日本人観光客増加に伴う飲食・宿泊サービス業等の雇用回復や万博開催に向けた準備により、賃貸マンション需要が拡大していることが挙げられる。中でも他都市に比べ供給割合が小さく、需給が逼迫するコンパクト・ファミリータイプは特に上昇率が高い。

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※ マンション賃料インデックスは2009年第1四半期以降のデータを公表しています。
マンション賃料インデックスデータ(東京23区、東京都下、大阪市、大阪広域 、札幌市、仙台市、埼玉東南部、千葉西部、横浜・川崎市、名古屋市、京都市、福岡市)

[Excel形式]の提供(無償)をご希望される方は、アットホーム株式会社のウェブサイトよりダウンロードしていただけます。

アットホーム株式会社 マンション賃料インデックス
※アットホーム株式会社のウェブサイトにリンクしています

 【アットホームカスタマーセンター】
 TEL:0570-01-1967(ナビダイヤル)または050-5538-0935まで
 受付時間 9:00〜17:00〔日、祝、特定日を除く〕

※ 「東京都下」は、武蔵野市・府中市・調布市・立川市・三鷹市・国分寺市・国立市・小金井市・八王子市・町田市・日野市・多摩市・稲城市・西東京市・小平市・狛江市を対象にインデックスを算出しています。
※ 「大阪広域」は、大阪市西区、浪速区、中央区、福島区、北区、都島区、天王寺区、阿倍野区、東淀川区、吹田市、豊中市、高槻市、茨木市、尼崎市、西宮市、芦屋市を対象にインデックスを算出しています。
※ 「埼玉東南部」は、浦和区、大宮区、中央区、南区、戸田市、川口市、蕨市、草加市、越谷市、和光市、朝霞市を対象にインデックスを算出しています。
※ 「千葉西部」は、柏市、松戸市、流山市、我孫子市、市川市、浦安市、習志野市、船橋市を対象にインデックスを算出しています。

賃貸マンション市場レポート
(賃貸マンション市場を取り巻く需給環境について解説)

※PDFデータはアットホーム株式会社のホームページにリンクしています。

インデックスの特徴

成約事例に基づく賃料インデックス

アットホーム株式会社が蓄積しているマンション成約事例に基づいて作成しており、成約ベースの賃料や成約時期等、賃貸マンション市場動向を反映したインデックスとなっています。

ヘドニックアプローチにより品質調整された賃料インデックス

駅距離等の主要な賃料形成要因について、ヘドニックアプローチという統計的手法を用いて品質調整を行っており、不動産の個別性による影響を軽減した賃料動向を表すインデックスとなっています。

エリア別、タイプ別の賃料推計モデルにより算出された賃料インデックス

エリア別、タイプ別に賃料推計モデル式を構築しております。この賃料推計モデル式により、エリア別、タイプ別の推計を表すインデックスを算出しています。

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