三井住友トラスト基礎研究所は、2012年より、年金基金・機関投資家の皆様に対してオルタナティブ投資全般および不動産(2021年調査まではインフラ投資を含む)の目的や意向に関するアンケート調査を実施し、その結果を分析・公表しています。

「不動産投資に関する調査 2023年」 -調査結果-
~年金基金および機関投資家に聞いた最新の不動産投資動向~

更新

調査結果 要旨

株式会社三井住友トラスト基礎研究所では、2012年から「不動産投資に関する調査」を実施している。第12回目となる今回は、2023年11月~12月にかけて実施し、定例の質問項目に加えて、2022年以降の国内外の金利環境変化を踏まえた不動産投資方針の変更の有無を確認した。

<調査対象と方法>
- アンケート送付先:299(年金基金:162、機関投資家等(以下では「機関投資家」とします):137)
 機関投資家等・・・銀行、保険会社(生損保)、共済組合、リース会社等
- 回答数:80(年金基金:46、機関投資家:34)(有効回答率:26.8%)
- 調査時期:2023年11月~12月
- 調査方法:郵送による調査票の送付・回収

調査結果の注目ポイント

<今後の不動産投資方針>
積極姿勢の投資家が減少、特に機関投資家は調査開始以来最少に

  • 今後の不動産投資方針については、年金基金、機関投資家ともに「現状の不動産投資額を維持する予定である」との回答が増加して引き続き最多となった一方、「投資を実行する/増やす予定」「投資検討すべき投資対象の一つ」が年金基金、機関投資家それぞれにおいていずれも減少し、特に機関投資家では両者を合わせた積極姿勢の投資家が2012年の調査開始以来最少となり、投資額増額基調にやや陰りが見られる。
  • ただし、2023年調査では「投資を減らす予定」の回答はなく、当面は現状水準以上での不動産投資額が想定される。

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<今後、投資を開始あるいは増加させたい不動産投資対象>
年金基金は国内投資回帰の傾向、機関投資家は一部が海外投資に注目

  • 今後、投資を開始あるいは増加させたい不動産投資(回答件数ベース)の対象は、年金基金では「国内不動産を対象とした私募ファンド(オープンエンド型)」の回答割合が大きく増加し、前回に続きトップとなった。前回「国内不動産を対象とした私募ファンド(オープンエンド型)」とともにトップであった「海外不動産を対象とした不動産ファンド(オープンエンド型)」は大きく割合を下げた。

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  • 機関投資家では前回調査でトップであった「国内不動産を対象とした私募ファンド(オープンエンド型)」が大きく割合を下げ、「海外不動産を対象とした不動産ファンド(オープンエンド型)」と「ファンドオブファンズ」が割合を高める結果となった。

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  • 海外不動産市場における不動産価格の調整を背景に、年金基金は国内投資回帰の傾向を強め、機関投資家は一部が市場調整後の再成長を期待して海外投資に注目する傾向が表れている。

より詳細な資料はこちら

「不動産投資に関する調査 2023年」 -調査結果- (PDF:1.5MB)

過去の調査結果