不動産私募ファンドに関する実態調査 2017年1月 〜調査結果〜

株式会社三井住友トラスト基礎研究所

  • 株式会社三井住友トラスト基礎研究所では、2003年より不動産投資市場調査の一環として、「不動産私募ファンドに関する実態調査」を行っている。本調査は今回で23回目となり、55社の不動産運用会社から回答を得た。

  - 調査対象:国内不動産を対象に不動産私募ファンドを組成・運用している不動産運用会社
  - アンケート送付先数:109社
  - 回答社数:55社(回収率:50.5%)
  - 調査時期:2017年1月~2月
  - 調査方法:郵送およびEメールによる調査票の送付・回収

  • 上記アンケート結果およびヒアリング・公表情報をもとに、当社では、2016年12月末時点の不動産私募ファンドの市場規模(運用資産額ベース)を15.6兆円と推計した。この数値は、当社が把握しているグローバルファンド(※)の国内不動産運用資産額を含めている。前回調査(2016年6月末時点)の運用資産額(15.5兆円)から約1,800億円(1.1%)増加し、国内不動産私募ファンドの市場規模は、微増ながら拡大基調が継続している。
 (※)グローバルファンド・・・日本以外の国も投資対象とするファンドとして、当社が定義

不動産私募ファンドの市場規模は、グローバルファンドを含めて15.6兆円と推計

  • 2016年12月末時点での不動産私募ファンドの市場規模を、運用資産額ベースで15.6兆円と推計した(グローバルファンド(※)による国内運用資産額を含む)。前回調査(2016年6月末時点)から約1,800億円増加し、国内不動産私募ファンドの市場規模は、微増ながら拡大基調が継続している。
  • 運用資産額が減少したとする運用会社数を増加したとする運用会社数が1割程度上回り、全体として前回推計結果から約1.1%の増加となった。私募REITを中心に国内不動産を対象とするファンドの資産規模が拡大している一方で、グローバルファンドにおける資産規模の縮小傾向が見られた。
  • デット資金の調達環境およびエクイティ投資家の投資意欲に関しては、いずれも良好な状態が継続しているものと考えられるが、前回調査からの大きな変化はみられず、更なるデット資金の調達環境の緩和、エクイティ投資家の投資意欲の増大は見込みづらい状況といえる。
  • オープンエンド型私募ファンド(いわゆる私募REIT)への取り組み状況に関する調査では、16社が既に運用を開始していると回答した。また、今後のオープンエンド型私募ファンド市場の発展に必要な内容についての調査では、「トラックレコードの蓄積」との回答数が最多となり、不動産市況が悪化した場合の対応を含めて、安定運営の継続が注目されているといえる。私募REITの市場規模が一定程度拡大してきており、規模だけでなく質の安定を目指していく第二ステージに入りつつある状況ともいえる。

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