不動産私募ファンドに関する実態調査 ~2019年1月 調査結果~

株式会社三井住友トラスト基礎研究所

  • 株式会社三井住友トラスト基礎研究所では、2003年より不動産投資市場調査の一環として、「不動産私募ファンドに関する実態調査」を行っている。本調査は今回で27回目となり、50社の不動産運用会社から回答を得た。

  - 調査対象:国内不動産を対象に不動産私募ファンドを組成・運用している不動産運用会社
  - アンケート送付先数:107社
  - 回答社数:50社(回収率:46.7%)
  - 調査時期:2019年1月~2月
  - 調査方法:郵送およびEメールによる調査票の送付・回収

  • 上記アンケート結果およびヒアリング・公表情報をもとに、当社では、2018年12月末時点の不動産私募ファンド(私募REIT含む)の市場規模(運用資産額ベース)を17.7兆円と推計した。この数値は、当社が把握しているグローバルファンド(※)の国内不動産運用資産額を含めている。前回調査(2018年6月末時点)の運用資産額(16.9兆円)から約8,600億円(5.1%)増加し、近年緩やかに増加している国内不動産私募ファンドの市場規模の拡大が継続した。
    なお、この数値は新たな情報の入手にともない過去にさかのぼり再集計している。
 (※)グローバルファンド・・・日本以外の国も投資対象とするファンドとして、当社が定義

不動産私募ファンドの市場規模は、グローバルファンドを含めて17.7兆円と推計

  • 2018年12月末時点での不動産私募ファンドの市場規模を、運用資産額ベースで17.7兆円と推計した(グローバルファンド(※)による国内運用資産額を含む)。前回調査(2018年6月末時点)から約8,600億円増加し、近年緩やかに増加している国内不動産私募ファンドの市場規模の拡大が継続した。
  • 運用資産額が減少したとする運用会社数を、増加したとする運用会社数が上回り、中には1,000億円以上運用資産が増加した運用会社も複数見られ、全体として前回推計結果から約5.1%の増加となった。私募REITの外部成長による底上げに加えて、クローズドエンド型私募ファンドにおける資産規模拡大が不動産私募ファンド市場の拡大を大きく牽引した。
  • 総じて見れば、デット資金調達環境は良好な状態が継続しており、エクイティ投資家の投資意欲は高い状態で継続していると考える運用会社が多いものとみられる。
  • 2018年下半期の物件の売買状況をみると、物件取得を行った運用会社が7割弱、物件売却を行った運用会社が5割弱となり、前回調査から取得・売却の割合がともに低下した。市場への物件供給が少ない状態が継続している中で、価格目線の乖離が拡大している。

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