不動産私募ファンドに関する実態調査
 ~2022年7月 調査結果~

株式会社三井住友トラスト基礎研究所

     本調査は一般社団法人不動産証券化協会(ARES)と株式会社三井住友トラスト基礎研究所(SMTRI)が共同で実施した、第1回「不動産私募ファンドに関する実態調査」である。SMTRI単独では、2003年12月より本調査をアンケート形式で行っており、今回の調査で34回目となる。今回調査では77社の不動産運用会社等から回答を得、共同調査への移行により回答社数および有効回答率が増加し、調査精度を高めることができた。

  - 調査対象:国内不動産を対象に不動産私募ファンドを組成・運用している不動産運用会社
  - アンケート送付先数:125社
  - 回答社数:77社(有効回答率:61.6%)
  - 調査時期:2022年7月~8月(2022年6月末基準)

不動産私募ファンドの市場規模は、私募REIT・グローバルファンドを含めて26.5兆円と推計

  • 上記アンケート結果およびヒアリング・公表情報をもとに、2022年6月末時点の不動産私募ファンド(私募REIT含む)の市場規模(運用資産額ベース)を26.5兆円と推計した。この数値は、ARESが把握している国内私募REITおよびSMTRIが把握しているグローバルファンド(※)の国内不動産運用資産額を含めている。SMTRIの前回調査の運用資産額(2021年12月末時点:24.1兆円)から約2.4兆円(約10.0%)増加し、国内不動産私募ファンドの市場規模拡大ペースが加速している。運用資産規模を拡大させた運用会社数が規模を縮小した運用会社数を大きく上回り、円安進行を背景とした外資系運用会社だけでなく、国内運用会社でも大幅に資産規模を拡大させた運用会社が多くみられた。私募REIT市場も銘柄数・資産規模ともに順調に拡大している。超低金利の継続と歴史的な円安を背景に、海外投資家資金は私募ファンド市場により一層流入しており、国内投資家資金とともに不動産私募ファンド市場を更に拡大させていることが確認された。

    ※グロ-バルファンド・・・日本以外の国も投資対象とするファンドとして定義

運用会社の物件タイプごとの投資戦略に変化の兆し。物件取得環境が厳しい中で売却活動は引き続き低調

  • 2022年上半期も「住宅」と「物流」への投資額を増やす傾向が継続した。「オフィス」、「商業」、「ホテル」では引き続き投資額を「減少」または「やや減少」させたとする回答が一定程度見られるが、前回調査との比較では、海外投資家の「オフィス」を除き、「減少」または「やや減少」させたとする回答割合は低下した。「ホテル」については「やや増加」の回答割合が「減少」と「やや減少」の回答割合を上回った。今後注力していきたい物件タイプについても、「物流」の回答割合が減少した一方、「オフィス」、「住宅」、「ホテル」は増加している。新型コロナウイルス感染症拡大以降、多くの運用会社が「住宅」と「物流」への投資額を増加させてきたが、足下では「物流」投資拡大に一服感もあり、With・Afterコロナ時代を見据え、運用会社の物件タイプごとの投資戦略に変化の兆しが見られる。
  • 2022年上半期に物件取得を行ったとする回答割合は58%となり、過去調査と比較するとやや低い水準となったが、過半の運用会社が物件を取得している。同時期に物件売却を行ったとする回答割合は40%となり、2016年以降物件売却を行ったとする回答割合が過半を下回るケースが多い。不動産価格の高騰および取得競争の激化が継続する中で、物件売却活動は低調であり、多くの運用会社がポートフォリオの維持・拡大に努めていることがうかがえる。

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