アフターコロナのオフィス戦略
-職種ごとに重視すべきオフィスの役割とは-

投資調査第1部 研究員   髙林 一樹

要約・概要

・本レポートでは「オフィスに求められる役割」を再検討し、職種ごとに重視すべきオフィスの役割を分析した。さらに、最適なオフィス戦略検討に向けた考え方の参考として、ワークプレイスごとの特性を整理した。
・オフィスの役割として、「対面のコミュニケーション」に関連して①イノベーション、②連携、③関係構築、④指導・伝承が挙げられ、「オフィスで行うのが最適な仕事の実施」に関連して⑤集中、⑥紙面処理、⑦セキュリティ、⑧専門設備が挙げられる。「健康・快適な環境」はこれら役割を発揮するための土台といえる。
・職種ごとに重視すべきオフィスの役割は異なり、「対面のコミュニケーション」重視と言っても、①~④の重視度には濃淡がある。在宅勤務環境が継続する中、②連携はチャットの活用等で一定程度解消できているかもしれないが、特に①イノベーション、③関係構築、④指導・伝承を重視する職種では、長期的には、完全な在宅勤務環境では支障を来す可能性がある。
・一般的に在宅勤務との親和性が高いとされる情報処理・通信技術者であっても、①イノベーションの重視度が比較的高い。例えオフィスを縮小しても、意図せぬ相手との偶然の出会いや、外部環境から得る多様な刺激を維持できるのか、慎重に検討すべきである。
・ワークプレイスの選択肢が多様化しており、その特性は様々である。企業としては、職種ごとの、さらには社員ごとの役割や事情の違いを認識し、多くの選択肢を用意することが重要かつ当然になっていくだろう。その際には在宅勤務に加え、FOやワーケーションも、選択肢として有効活用されることを期待したい。

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