「PPP/PFI推進アクションプラン(令和6年改定版)」の考察

PPP・インフラ投資調査部門長 兼 同部長    福島 隆則

要約・概要

 2024年6月3日、「PPP/PFI推進アクションプラン(令和6年改定版)」が公表された。今年のアクションプランのコンセプトとなる「基本的な考え方」には、30年間続いたコストカット型経済から新たな成長型経済への移行に応じ、行政の歳出効率化、民間事業者の利益創出、住民サービスの向上を目指すことが書き込まれた。
 こうした中、本稿では、まず一般的なテーマとして、物価変動への対応、分野横断型・広域型PPP/PFIの形成促進、PPP/PFIの活用領域の拡大、「5年件数目標」と「事業件数10年ターゲット」の上方修正を取り上げ、解説・考察を行った。さらに、筆者が独自に注目するテーマとして、SPC株式の流動化とインフラ投資市場の整備、空港コンセッション、LABV(Local Asset Backed Vehicle)、スタートアップ連携を取り上げ、次のような考察を行った。
 今年のアクションプランでも、SPC株式の流動化やインフラ投資市場の整備は強調されたが、現状での進展は乏しいと言わざるを得ない。今後の空港へのコンセッション導入には、事業性と対応策のバランスが求められる。今年のアクションプランから「LABV」の記述は消えたものの、公的不動産を活用した官民連携の新たな手法は引き続き検討されている。そして、PPP/PFIでも、主に技術革新を取り入れた効率化の観点で、スタートアップ連携への期待が高まっている。
 このような様々なテーマを通じて、我が国のPPP/PFIを発展させることが、アクションプランの目指すところである。

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(本レポートは、一般社団法人不動産証券化協会「ARES不動産証券化ジャーナルVol.80」掲載論文をもとに、加筆・修正したものである)

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