「PPP/PFI推進アクションプラン(令和7年改定版)」の考察

PPP・インフラ投資調査部 上席主任研究員    浅川 博人

要約・概要

 2025年6月4日、「PPP/PFI推進アクションプラン(令和7年改定版)」が公表された。今年のアクションプランは、PPP/PFIを通じて地域課題を解決する具体的な方策を提示した点と、防災に資する官民連携の推進として「フェーズフリー」の視点を取り入れた点が注目される。
 本稿では、今年のアクションプランの特徴として、地方公共団体への支援の強化、民間事業者を取り巻く事業環境の改善、地域課題の解決に資する官民連携の推進、フェーズフリーの視点を取り入れた官民連携の推進、PPP/PFIの活動領域の拡大を挙げ、解説・考察を行った。
 さらに、筆者が独自に注目するテーマとして、インフラファンドによる空港コンセッションへの投資の実現と、PPP/PFIにおける新技術・サービス導入について考察を行った。PFI事業に対するインフラファンドによる投資の促進は10年以上にわたり掲げられてきた目標であり、今回の事例はその目標に沿った先導的な取組の一つである。これを契機として、PFI事業に対する機関投資家のさらなる参画が望まれる。また、昨今のデジタル化やカーボンニュートラルの動向に加え、今後予想される働き手不足を考えると、PPP/PFIにおける新技術・サービス導入の重要性は増している。これらの導入の経験が蓄積され、全国へ広く展開されていくことが期待される。

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