金融緩和の企業活動への影響
~事業再編や新陳代謝は促進されたのか?~

投資調査部 主任研究員   荻島 駿

要約・概要

  • 2013年以降の長期にわたる金融緩和で、企業の生産性へのマイナスの影響が懸念される。
  • 負の影響として第一に、低金利でなければ採算のとれない事業が増加した可能性が懸念される。このような事業は本来、積極的に整理していく必要があるが、低金利環境下で企業の事業再編の動きは停滞していた。
  • 第二に、生産性の低い企業の温存により、新陳代謝が損なわれた可能性がある。実際に、低金利下で企業の廃業は減少する一方、開業は伸び悩んだ。また、今後の金利上昇局面では、低金利下で温存されてきた生産性の低い企業の廃業が増加することも懸念される。
  • その一方で、非製造業のソフトウェア投資が活発化する等、金融緩和のプラスの側面もみられた。今後はは金利上昇が進む中で、企業の事業再編や新陳代謝をより促進する政策が求められる。

report_20260601.png