「不動産投資に関する調査 2019年」 -調査結果-
~年金基金および機関投資家に聞いた最新の不動産投資動向~

株式会社三井住友トラスト基礎研究所

調査結果 要旨

  • 回答のあった年金基金の83%(48基金)、機関投資家の94%(31社)がオルタナティブ商品への「投資実績あり」と回答した。年金基金、機関投資家ともにオルタナティブ商品への投資が浸透しているといえる。
  • 現在不動産投資残高を有する投資家の、不動産投資運用資産の内訳(回答件数ベース)をみると、年金基金・機関投資家ともに「国内不動産私募ファンド(オープンエンド型)」が最大となった。また、両者ともに海外不動産オープンエンド商品のシェアが増加傾向にある。国内のオープンエンド型商品への投資経験を有する投資家が増加する中で、海外不動産に対象を拡大し、投資実行する投資家が増加しているものと考えられる。
  • 不動産投資残高がない投資家も含め、今後の不動産投資のスタンスについて質問したところ、年金基金では「現状の不動産投資額を維持する予定である」との回答割合が32%で最大となった。また、「不動産投資を行っておらず、今後も行う予定はない」は、2016年調査以降減少傾向にあり、全般的に不動産投資に対する姿勢は積極化しているものとみられる。機関投資家では、「不動産投資を実行する/増やす予定である」が58%を占めた一方、「不動産投資を行っておらず、今後も行う予定はない」は6%にとどまり、今後も不動産投資を積極的に展開していくスタンスの投資家が多いことがうかがえる。
  • 今後、投資を開始あるいは増加させたい不動産投資については、年金基金では2018年調査に引き続き「海外不動産を投資対象とした私募ファンド(オープンエンド型)」とする回答割合が、「国内不動産を投資対象とした私募ファンド(オープンエンド型)」を上回り最大となった。一方、機関投資家では、「国内不動産を投資対象とした私募ファンド(オープンエンド型)」が最大となり、次いで「海外不動産を投資対象とした私募ファンド(オープンエンド型)」となった。機関投資家には地方金融機関も多く含まれており、直接投資対象物件を確認できない海外ファンドよりも、確認が可能な国内ファンドの方が投資しやすいことが、国内不動産投資を重視する傾向に影響しているものと考えられる。

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<調査対象と方法>
- アンケート送付先:571(年金基金:393、機関投資家等:178)
  機関投資家等・・・銀行(都市銀行・地方銀行・信託銀行等)、保険会社(生損保)、共済組合、
         リース会社等  ※本レポート内では「機関投資家」とします
- 回答投資家数:92(年金基金:59、機関投資家:33)(有効回答率:16.1%)
- 調査時期:2019年10月~11月
- 調査方法:郵送による調査票の送付・回収

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<アンケート調査の構成>
- 本アンケート調査の質問内容は、投資家のオルタナティブ投資の実績に応じ、以下の3段階の構成としている。

①:「これまでの」オルタナティブ投資の実績の有無
②:(①での回答内容を踏まえ)「現在の」オルタナティブ投資の実績の有無
③:(②での回答内容を踏まえ)現在のオルタナティブ投資における「不動産」への投資残高の有無

- 上記に基づき回答内容を集計したところ、以下のような結果となった。

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