不動産取引市場にミニバブルの再来なるか
 ~不動産私募ファンドを切り口に今後の方向性を探る~

私募投資顧問部 主任研究員   米倉 勝弘

<要約・概要>

 2014年1月1日時点の地価公示を見ると、地価の上昇地点が前年に比べて大幅に増加している。J-REITにおける不動産取引事例を用いて足下の不動産価格水準を分析してみても、確かに、2007年前後に近い水準までキャップレートの押し下げ(取引価格の押し上げ)圧力が強くなってきている。

 不動産私募ファンドを切り口に不動産取引市場を概観してみると、現在の状況はキャッシュフローの安定志向、低LTV志向が強いという点で2007年前後と異なり、ミニバブルの再来を誘発するような状況にはないものと考えられる。

 ただ一方で、2010年11月の運用開始以来、不動産私募ファンド市場を牽引してきた非上場オープン・エンド型不動産投資法人のやや急速過ぎる資産規模の拡大には懸念がないわけではない。

 価格変動サイクルを持つと考えられる不動産取引市場においては、時間分散などを意識した緩やかで持続的な成長が期待されているのではないだろうか。

「2005年」を基準とした場合のキャップレート格差

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・(ニュースリリース)不動産私募ファンドに関する実態調査 2014年7月 ~調査結果~ (2014年9月16日)

「非上場オープン・エンド型不動産投資法人」現状整理と市場規模に関する考察 (2014年12月3日)

私募REIT市場発展に向けた投資リスク評価手法に関する調査 (2014年11月10日)

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