日本企業・投資家による海外不動産投資残高は前年より19%増加し26.7兆円規模に
~「海外不動産投資に関する実態調査2025」結果

海外市場調査部 研究参事    伊東 尚憲

要約・概要

  • 「海外不動産投資に関する実態調査」結果などをもとに2025年の海外不動産投資残高を26.7兆円と推計した(前年比+19%)。うち、直接投資額は住宅メーカー、不動産会社の積極投資が寄与し前年推計から20%増加している。
  • 直接投資を主に行う不動産会社などのプレーヤーは、開発利益や国としての成長性を期待して海外不動産投資を活発化させているものの、昨今の政治・経済の先行き不透明感から、政治リスク・景気変動リスクが最大の課題となっているほか、海外担当者の確保も課題となっている。今後の投資意向は引き続き強く、米国や豪州への投資拡大が見込まれるほか、英国やインドが新規投資先として注目度が高まっている。
  • 不動産ファンドを通じた間接投資を主に行うプレーヤーは、高い収益性、成長する市場、グローバル分散投資に期待して海外不動産投資を実施している。課題面では、法務や税務、為替変動などリターンに直結するものが前年に続き上位となっている。投資拡大意向は引き続き強く、特に米国への関心が強い。
    【調査概要】
  • 調査名称:海外不動産投資に関する実態調査
  • 調査対象:公表情報等により海外不動産投資を行っている、あるいは行う可能性の高いと推察される企業・年金基金などを対象
  • 調査方法:面会によるヒアリング調査、メールによる質問票送付調査を併用
  • 調査期間:2025年9月1日~9月24日
  • 回収状況:有効回答数64社(回収率77.1%)
  • 分類方法:海外不動産投資への主な関わり方に基づいて、所属業種ごとに大きく3分類している(図表1参照)。分類ごとに質問票も異なっており、結果集計も分類ごとに行っている。本レポートでは、このうち「直接投資」と「間接投資(投資家)」についての集計結果について記載している。

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