新型肺炎で訪日旅行客は年間310万人減少のおそれ ~SARS流行時との比較でみたインバウンドへの影響

投資調査第2部 研究員   荻島 駿

要約・概要

  • 2003年におけるSARS(重症急性呼吸器症候群)流行時におけるインバウンドへの影響を考察し、同程度のインパクトを想定した場合の2020年への影響を試算。
  • SARS流行時における中国からの旅行者の減少は、仮にSARSがなかった場合と比較して、最大で単月▲66%程度。
  • SARS流行時と同様の想定で2020年への影響を試算すると、中国人旅行者の減少は年間で135万人程度、訪日客全体では311万人程度と予測される。
  • ただし、今回の新型コロナウイルスについては、無症状患者からの感染や再感染の可能性、またそれらを踏まえての各国での大幅な移動制限から、インバウンドへの影響はSARS以上となる可能性が高い。本稿の数字はあくまで最低限の影響として捉えた上で、今後の動向を注視していく必要がある。

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