不動産市場・ショートレポート 経済環境
インフレ・金利上昇の不動産市場への影響

投資調査第2部 副主任研究員   荻島 駿

要約・概要

  • 三井住友トラスト基礎研究所では、「標準シナリオ」「慎重シナリオ」の2つのシナリオに基づき将来の不動産市場(期待利回り)を予測している。両シナリオを比較することで、金利上昇を含めた各変数の変動が期待利回りに与える影響を推察できる。
  • 両シナリオの予測結果を比較すると、慎重シナリオにおいて期待利回りは概ね0.05~0.15%ptの上昇を示している。ただし、慎重シナリオは経済停滞の影響(成長率低下に伴う賃料の下落期待が期待利回りを押し上げる効果)も加味されているため、これを除いた金利上昇のみの影響はここで示した数値(0.05~0.15%pt)より更に小さくなることが見込まれる。
  • 期待利回りへの影響が限定的と考えられる要因として、金融緩和以降のイールドギャップ(リスクプレミアム)の厚さがある。

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