2014年の分譲マンション発売戸数(首都圏)は微減にとどまると予測

投資調査第2部 副主任研究員    菅田 修

  • 2013年の分譲マンション発売戸数(首都圏)は5.6万戸に達し、前年比24%増と大幅に増加した。
  • 発売戸数が増加する中で、在庫戸数が減少しており、売れ行きも好調だった。
  • 2013年に入り、購入者サイドの物件購入意欲が改善した一方で、2012年に発売される予定だった物件の後倒しが2013年の発売戸数を押し上げた。
  • 2013年末の未発売戸数は前年比の半分程度にまで減少している。発売できる物件が前年と比べて減少しているものの、住宅取得意欲が引き続き高い状況が継続すると想定されるため、2014年の分譲マンション発売戸数は前年比5%減の約5.3万戸になると予測する。

2013年の分譲マンション発売戸数は5.6万戸(前年比24%増)となり、売れ行きも好調

 首都圏における2013年の分譲マンション発売戸数は、5.6万戸と前年比24%の増加となり、リーマンショック以降初めて5万戸の水準を超えた。特に、東京都区部に物件供給が集中しており、都区部比率(首都圏における東京都区部で発売された住戸の比率)は過去20年間で最も高い水準となる約50%に達した。発売戸数が増加する中で在庫戸数が減少していることから、総契約戸数(新規に発売された契約戸数と在庫の中から契約された戸数の合計値)が大幅に増加しており、2013年の分譲マンション市況は好調だったといえる。

2012年末に向けて増加していた未発売戸数が2013年の発売戸数を押し上げた

 2013年の発売戸数が大幅な増加となった要因は何か?アベノミクスによって資産インフレへの期待が持てるようになったこと、住宅ローン金利が低水準であること、消費税増税の経過措置(2014年4月以降の引き渡しであっても2013年9月までに契約すれば消費税率5%が適用される措置)の期限前に住宅購入に踏み切る消費者が多かったこと、など購入者サイドに物件購入意欲の改善が見られた影響が大きい。

 一方で、供給サイドが需要マインドの改善に対応するだけの物件を抱えていたことも、2013年の発売戸数が大幅に増加した要因と考えられる。2012年の発売戸数は約4.5万戸であり、2011年とほぼ同水準だった。しかし、発売予定物件の動向をみると、2012年に発売されるはずだった戸数は5万戸以上あったものと推察される。実際に発売された戸数と発売されるはずだった戸数との乖離は、未発売戸数(既に発売を開始している物件の中で売り出されていない戸数とまだ発売を開始していない物件の戸数を合計した値)という形で表現できる(図表1参照)。消費税は本当に増税されるのか、所得および雇用環境は改善されるのか、という先行き不透明感から購入者の物件購入意欲が弱含んでいたことにより、2012年末に向けて未発売戸数が増加していった。すなわち、2012年に発売される予定だった物件の後倒しが、2013年の発売戸数増加につながったといえる。

図表1.未発売戸数(首都圏)の推移

2014年の分譲マンション発売戸数は5.3万戸(前年比5%減)と微減にとどまると予測

 消費税増税後は、購入者の物件取得意欲減退により売れ行きが悪化し、発売戸数が減少する傾向にある。では、2014年の分譲マンション市場はどうなるのだろうか?
 まず、供給サイドに目を向けると、2013年末の未発売戸数が2012年末と比べて約半分の水準にまで減少していること、首都圏(1都3県)の分譲マンション着工戸数は2011年以降ほぼ横ばいで推移していることから、2014年に供給できる戸数は2013年と比べて減少しているものと推察される。一方で、購入者サイドは、建築費が高騰(建築費指数は2013年後半から明確に上昇)している影響を受けて価格が上昇すると見込まれるため、物件購入に踏み切るまでに2013年より時間を要するであろうと想定される。しかし、2015年に二度目の消費税増税が予定されていることや、住宅ローン金利が依然として低水準のまま推移することから、物件購入意欲はそれほど悪化しないと見込まれる。そのため、2014年の分譲マンション発売戸数は5.3万戸程度(前年比5%減)と微減にとどまり、消費税増税後の急激なマーケットの変化は生じないものと予測する。

図表2.分譲マンション着工戸数(首都圏)の推移

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