低金利が支える分譲マンション市場
 -今後の鍵は価格下落のタイミング-

投資調査第1部 主任研究員   菅田 修

要約・概要

  • 首都圏の分譲マンション平均価格は、バブル期並に高騰しており、発売戸数が伸び悩んでいる。
  • しかし、価格は高騰しているものの、低金利環境が下支えする形で、分譲マンションの買いやすさを示す指標であるアフォーダビリティは大きく悪化していなかったと推察される。
  • 今後も中期的に低金利環境が継続する見込みであり、需要サイドの要因からアフォーダビリティが大きく変動するとは考えにくく、分譲マンションの買いやすさは変化しにくい局面にある。
  • ただし、潜在在庫を示す分譲予定戸数が積み上がってきおり、分譲マンションの事業リスクが高まっている。そのため、平均価格には下げ圧力がかかり、アフォーダビリティは緩やかに上昇する。それに伴って、潜在在庫が減少に向かい供給主体が抱える事業リスクが低下することを期待する。

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(毎日新聞出版株式会社「週刊エコノミスト 2018年4月10日号」 寄稿)

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